童話

ユーカリアンサンブルのメンバーをイメージとした創作童話
どうぞお楽しみください
 
        森の音楽会    
 くまのおじさんは、アコーディオンが得意です。
春の日差しの中、森の切り株に腰をかけ、一人で何曲も弾いていました。
 そこに、うさぎのきょうだいが通りかかりました。二人とも、手には
バイオリンを持っています。
 くまのおじさんは言いました。
「一緒に弾いてみようよ」
うさぎのきょうだいは喜んで、さっそく三人で弾いてみました。
なんだかさっきより楽しく、じょうずに聞こえました。
「もっと仲間がふえるといいね」
お姉さんうさぎが言いました。
 どこからか、フルートのきれいな音がひびいてきました。
「だれが吹いているのかしら」妹うさぎが言いました。
フルートの音色は、だんだん近づいて来て、りすさんがあらわれました。
「ぼくも入れてよ」
こんどは四人で演奏してみました。小鳥のようなフルートの音が入ると、
音楽はいっそうステキになりました。
 みんなはだんだん楽しくなって、次々に演奏しました。
「ちょっと一休みー」
くまのおじさんは、アコーディオンをおろしました。
 そこに登場したのは、きつねさんです。
手には黒い長い笛のようなものをもっています。
「みんなここで何しているの」
と、きつねさん。
くまのおじさんが、
「みんなで演奏すると、楽しいよ。きつねさん、それなに?」
と聞きました。きつねさんは持っていたものを吹いてみせました。
とてもやさしい音色がします。
「これはクラリネットって言うんだよ、ぼくも仲間に入れてくれる?」
みんなは、
「いいよ、いいよ、仲間がふえてうれしいなあ」
とよろこびました。
五人の仲間がそろったので、動物の音楽隊ができました。
 毎週日曜日に練習することになり、くまのおじさんが、練習する曲を
選んでくれました。
 次の日曜日、みんなが楽器を持って集まって来ました。
五人の音が重なりあって、とても美しい音楽がながれました。
「せっかく練習しているんだから、だれかにきいてもらいたいね」
くまのおじさんが言いました。
「そうだ!音楽会をしよう」
と、りすさんが言いました。
「お年寄りの動物たちに、きいてもらうのはどうかしら」
と、お姉さんうさぎ。
 みんなの意見がまとまって、五月の日曜日に、森の音楽会を
開くことになりました。
 さて、当日。五月晴れ!
 お客さんが次々集まって来ます。
杖をついたやぎさんも、子どもに手をひかれたお年寄りのさるさんも、
腰の曲がったろばさんもー。空では小鳥たちも鳴いています。
 舞台では五人の仲間たち。ちょうネクタイをして、張り切っています。
 くまのおじさんの合図で演奏がはじまりました。
 音楽って楽しい!演奏している仲間たちも、きいている動物たちも、
みんなゆかいな気持ちになってきました。
 ところが、突然。
「ガアー、ガアー。ガアー、ガアー。」
いじわるなからすの大群。音楽会をじゃましようとしているのです。
演奏が台無しです。
「ガアー、ガアー。ガアー、ガアー。」
からすの声は、どんどん大きくなっていきます。
 困った五人の仲間たち。
くまのおじさんが言いました。
「心をこめて、演奏をつづけよう。からすたちにも、音楽をきいてもらおうよ」
 
「カアー、カアー♪ カアー、カアー♪」
あれっ?からすたちも、演奏にあわせて歌っています。
 からすたちも、本当は音楽が好きだったんですね。
 五人の仲間の演奏が、森じゅうに、ひびきわたっていきます。
 
 森の音楽会は大せいこうでした。       (作 クラリ)